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カート

カートが空です

広大な石造りの広間、五つの開いたアーチ門がそれぞれ異なる風景と気候を見晴らしている。
香水入門

今嗅いでいる香りをどう言葉にするか

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「いい香り」で説明が尽きたとき、代わりに立つのが5つの軸だ。色、質感、温度、空間、そして人格。リサーチと自社カタログの文章から組み立てた、香りを精緻に語るための枠組み

何か素晴らしい香りをひと吹きし、誰かにどうかと聞かれ、あなたは「いい匂い」とだけ答える。

香水を愛する誰もがこの失敗を知っている。匂いはそこに確かにあり、顔と同じくらい具体的だ。だが言葉がついてこない。

ここに私たちが使っている解決法がある。順番に問う5つの質問だ。5つ目にたどり着く頃には、何かを本当に語る一文ができている。

薄暗く長いテイスティングテーブルに並ぶ、同じ形をしたグラスの列。それぞれに違う色の液体
Rain on dark glass with violet and magenta neon dissolved into abstraction
Rain on dark glass with violet and magenta neon dissolved into abstraction

1. 色は何色か

まず一番早い問い。ゴールド、グリーン、ブラック、ブルー。 Kanchaveli Yellow はイエローと名づけられていながら、シトラスを効かせたレザーの匂いがする。その齟齬に気づくだけで、ノートリストよりも多くを教えてくれる。 Purple Rain は肌を実際に青く染めることで、その議論に終止符を打つ。

2. 触れたらどんな感触か

サテン、パウダー、毛皮、濡れた石。 Oud Satin Mood はその名がそのまま答えになっている。サテンを匂いだと思う人はいないが、誰もが一瞬で理解する。 L'Air du Désert Marocain は温かい石の粉のような感触がする。

そして一つ奇妙な話を。金属的な匂いというのは、実は金属そのものの匂いではない。金属は常温ではほぼ無臭だ。鉄や血、硬貨の匂いは、汗がそれを腐食させることで生まれるもので、あなたが嗅いでいるのは自分自身の肌なのだ。それを踏まえると Inexcusable Evil は、自覚している以上に的を射た名だ。

凍った野原の上、煙に染まった大気の同じ一筋の中で、降る雪と昇る燠火がともに漂う
Another covers petrol, smoke, bat caves and wild ginger root.
A hand-cast concrete cylinder split open with molten amber light pouring from the fissure, warmth inside a cold form
A hand-cast concrete cylinder split open with molten amber light pouring from the fissure, warmth inside a cold form
A small child at a kitchen table dissolving into overexposed light, involuntary memory as it fades
A small child at a kitchen table dissolving into overexposed light, involuntary memory as it fades

3. 温かいか、冷たいか

Pacific Chill はミントのように冷たく、思わず身震いするほどだ。 Interlude 53 はレザーの上でくすぶる残り火。ホットとコールドが同時に読み取れる奇妙な香りこそ、たいていデカントする価値がある

4. どこへ連れて行かれるか

最高の香りは、場所である Tyrannosaurus Rex は恐竜が絶えた日の、冷たい森の地面 Domus Numeni は石造りの部屋にたたずむ蝋燭とインセンス Megamare はいままさに押し寄せる冷たい波

空の半分を占める縞模様のガス惑星の下、ひび割れた氷原
A woman draped in a crimson satin robe standing motionless before a foxed mirror in candlelight, the sensual nocturnal luxury
A woman draped in a crimson satin robe standing motionless before a foxed mirror in candlelight, the sensual nocturnal luxury

5. 何者にしてくれるか

この一文を完成させてほしい。「これを纏うと、自分は」 Green Irish Tweed はどの部屋でも歓迎される自分にしてくれる Black Afgano は拒む自分にしてくれる。香水というより物質に近い。誰も感じよく見せるためにこれを纏わない

5つの答えを合わせると、こうなる Ganymede灰へと沈む金、濡れた石の上のスエード、冷たさ、空気の希薄な場所、説明を拒む自分

この一文はどんなアプリも書いてくれない。肌の上で、丸一日をかけてのみ生まれるもので、それこそデカントの存在理由そのものだ 明日、一本纏ってみてほしい、5つの問いを立て、何が出てくるか見てみるといい

この記事で紹介した香水

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