デカントは何年も問題なく持つこともあれば、数か月で変わってしまうこともある。その違いはほぼ、どこに保管しているかで決まる。香水は食品のように明確な賞味期限を持つわけではないが、天敵は3つあり、多くの人はその3つすべての近くにデカントを置いている。
香水を傷める3つの要因
熱が最も厄介だ。温度が上がると、香りを構成する分子を分解する化学反応が加速する。1日に2回、冷たさと蒸気の間を行き来するバスルームの棚は、家の中でもっとも悪い保管場所のひとつと言える。寝室の引き出しのほうが、バスルームの棚よりはるかに安全だ。
光、特に直射日光は同じ働きをよりゆっくり進めるが、香水の色も変えてしまう。信頼できるハウスが色付きガラスや箱入りで出荷するのはこのためだ。デカントが透明な瓶に入っている場合は、窓辺ではなく引き出しか箱の中で保管してほしい。
空気は目立たない存在だ。スプレーするたびに空気が瓶の中に入り、酸素は真っ先にトップノートを酸化させていく。使いかけのデカントが新品と少し違う香りに感じられるのはこのためで、シトラスやグリーンノートはベースが動き出すよりずっと先に失われる。
デカントは実際どれくらい持つのか
涼しく暗く安定した場所に保管すれば、3〜5年はほとんど変化しないと考えてよい。それより長く持つものもあれば、明らかに短いものもある。
- シトラス系、アロマティック系、グリーン系の香りが最も繊細だ。その明るさを支えているのは最も揮発性の高い分子であり、それらが真っ先に失われる。これらは1〜2年以内に使い切るのがよい。
- ウード、樹脂、アンバー、タバコ、重めのウッド系は最も安定していて、1〜2年寝かせることで角が取れ、実際に良くなるものも少なくない。
- ナチュラル素材やエクストレはまちまちだ。天然素材は合成香料より変化しやすいが、それは欠点というより個性の一部だ。
劣化しているかどうかの見分け方
信頼できるサインはドライダウンではなく、つけた瞬間にある。劣化した香水は最初の30秒ほど酸っぱい、あるいはかすかに金属っぽい、古い食用油のようなにおいがし、その後はほぼ通常に近い状態に落ち着くことが多い。色が濃くなること自体は何の証拠にもならない。多くの天然素材は完璧な香りのまま経年で色が濃くなるからだ。
実践的な保管方法
- デカントは立てて保管し、液体がキャップの部分に触れ続けないようにする。
- 引き出しや箱、暖房器具から離れた戸棚は、見せる棚よりずっと優れている。
- 低温であることより、温度が安定していることのほうが重要だ。冷蔵庫は不要で、出し入れによる温度変化の繰り返しは、冷やすことによる利点より害のほうが大きい。
- 届いたときの瓶のまま保管する。移し替えるたびに新しい酸素が入り込む。
- フルボトルも持っているなら、デカントは持ち歩き用にして、ボトルは箱に入れたまま自宅で保管する。
デカントのサイズと保管方法が同じ判断である理由
香りが明るくシトラス主体なら、引き出しの中でゆっくり退色していく大きなサイズより、すぐに使い切れる小さめのデカントのほうが理にかなっている。ウードや樹脂系のエクストレなら、10mlでも3年後まで十分に優れた状態を保つ。あるサイズがどれくらい持つかについてはデカントに何プッシュ入っているかで詳しく解説している。
ここで扱っているものはすべて、棚に事前に詰めて並べておくのではなく、注文が入るたびに封を切ったボトルから量り分けている。つまりデカントの人生は、注文した日から始まる。サンプルとデカントの全ラインナップもぜひ見てほしい。


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